臨床検査のご案内
尿検査について
当院では、患者様より提出いただいた尿を、尿試験紙法における「尿定性検査」と、尿中の成分を専用の遠心分離機により分離・集積したものを顕微鏡で詳細に観察をする「尿沈査検査」を実施しております。
尿定性検査では、蛋白(腎臓の機能低下を調べます)・ブドウ糖(糖尿病や腎障害の有無を調べます)・尿潜血(腎臓あるいは尿路からの出血の有無を調べます)・ウロビリノーゲン(主に肝障害の有無を調べます)・他、pH・色調・混濁の程度を調べております。
尿沈査検査では、尿中の細胞や結晶などの有形成分を調べることで、尿定性検査よりも腎臓や泌尿器の病気を詳しく調べることができます。
尿を膀胱に貯めた状態での検査について
尿を膀胱に十分に貯留させた状態での検査は、主に2つあります。
1つは「膀胱部超音波検査」です。膀胱に尿が貯まった状態で膀胱全体を観察することにより、膀胱腫瘍や尿路結石の有無、前立腺の大きさを確認することができます。
もう1つは排尿時の勢い、排尿し終わるまでにかかる時間を調べる「尿流量検査」です。尿流量検査では、専用の検査機器に排尿することによって、自動的に尿流カーブをグラフ上に描き、計算されたパラメータと共に印字されます。正確な検査結果を得るには、150ml以上、できれば200~400mlの膀胱充満状態で検査を行うことが望ましいとされています。
当院の検査では、基本的な尿検査をはじめ、超音波検査や排尿機能検査など様々な検査を行っております。検査を受ける患者様の不安を少しでも軽減できるよう、検査の目的・内容・協力してもらう点・注意すべき点・起こりうる有害事象などを分かりやすく説明することで、安心して検査を受けて頂けるように努めております。
臨床検査技師 竹内誠志